ミドル世代にもなると、そろそろ健康や体型が気になるお年頃です。
介護職として一日仕事すれば、運動量として十分なのか気になっちゃいますよね?
結論から言うと、施設勤務の介護職なら、夜勤だと平均以下の運動量、日勤帯では平均以上の運動量になります。
特養勤務・40代男性の場合、消費カロリーにすると、日勤帯1日あたりで263kcal、夜勤1回あたり201kcalです。
今回は特養勤務の現役介護職が実際に仕事中の歩数を計測したリアルな運動量をもとに、介護職の消費カロリーと運動量について考察してみました。
健康やダイエットが気になるミドル世代の介護職の方は、ぜひ最後までお付き合いください。
介護職の消費カロリー・運動量が多い理由
介護職は、施設勤務や訪問介護などの違いによって多少の差はあっても、基本的には動き続ける仕事です。
・足元の悪い浴室で汗をかきながら半日入浴介助
・ナースコールがあれば居室へ急行
介護職が座っていられるのは記録と食事の介助くらいです。
では、実際にどれくらい動いているかを数字で可視化するために、歩数を計測してみたので結果を見ていきましょう。
現役介護職が仕事中の歩数を計測した結果がこちら
前提として、これから紹介するのは特養勤務・40代男性が計測した結果です。
年齢や性別、働く場所でも歩数や消費カロリーは異なりますので、一例として参考にしていただければ嬉しいです。
では、今まで計測したデータから、日勤帯と夜勤の歩数と、運動量の目安として消費カロリーを算出してみましょう。
日勤帯での歩数と消費カロリー
直近の日勤帯(早番、遅番など夜勤以外の勤務すべて)の歩数をまとめてみます。
- 7498歩
- 8030歩
- 8402歩
- 6692歩
- 9957歩
- 12063歩
早番や遅番など勤務によって業務内容も異なるので、数字にばらつきが見られますが多い日では12000歩を超えています。
日勤帯での1日あたりの平均歩数は8773歩になります。
では、8773歩で消費するカロリーを計算してみましょう。
とはいえ、カロリー計算に詳しいわけではないので、今回はざっくりと以下の数字をもとに計算します。
体重60kgの者が、時速4km(分速70m)、歩幅70cm、で10分歩く(700m、1000歩)場合を計算すると、消費エネルギーは30kcalとなる。
(引用:厚生労働省)
上記によると、1000歩で消費するカロリーが30kcalなので、日勤帯1日あたりで消費するカロリーは263kcalとなります。
夜勤での歩数と消費カロリー
では、つづいて夜勤での歩数です。
ちなみに夜勤は16時30分から翌朝10時30分までの18時間拘束です。
夜勤前後は家でゆっくり過ごすので、ほとんど動きません。
夜勤入りと夜勤明け、それぞれの歩数は次のとおりです。
- 入り:5386歩
- 明け:8999歩
- 入り:6285歩
- 明け:7669歩
- 入り:5718歩
- 明け:6332歩
厳密にいえば夜勤前後の歩数も多少含まれますが、誤差のレベルでしょう。
夜勤での1日あたりの平均歩数は6731歩でした。
夜勤中は利用者のほとんどが寝ているため待機時間があるので、やっぱり日勤帯に比べると少ないですね。
夜勤での1日あたりの消費カロリーは201kcalになりました。
消費カロリーと運動量の目標
介護職の運動量が明らかになったところで、健康維持に必要な運動量に達しているのかを調べてみました。
次の2点について目標数値がわかれば、今回の調査で判明した運動量が必要十分かどうか明らかになるはずです。
- 歩数
- 消費カロリー
歩数
厚生労働省は、健康維持の運動量として1日1万歩が理想としており、成人の目標値として男性9,200歩、女性8,300歩を推奨しています。
ちなみに、日本人の1日あたりの平均歩数は、男性8,202歩、女性7,282歩と言われています。
つまり、利用者が寝ている夜勤だと介護職は平均以下の運動量ですが、利用者が起きている時間の介護職は日本人の平均以上の運動量だといえます。
(参照:厚生労働省)
消費カロリー
介護職の1日あたりの消費カロリーは夜勤で201kcal、日勤帯で263kcalでした。
これらの数字が十分な運動量かを調べるために以下の記事を参考にさせていただきました。
(参考:森永製菓「筋トレで消費できるカロリーはどれくらい?カロリー消費量を考えて運動する!」)
こちらの記事によると、体重60kgの人がウォーキングをした場合、健康な体づくりに必要とする1日あたりの消費カロリーは126kcalだそうです。
ということは介護職の消費カロリーは、健康維持に必要な運動量として十分な数字だといえます。
介護職は運動量が多いのに痩せないのはなぜ?
歩くことはあくまで健康のためで、痩せるためではありません。
そもそも目的が違うので、痩せないのも当然といえば当然です。
日勤帯の介護職は1日で約8800歩も歩いているので、運動量としては十分ですし、女性であれば厚生労働省が提唱する目標値もクリアしています。
必要十分な運動量でも介護職のお腹が引っ込まないのは、次のような3つの理由があるからです。
- そもそも有酸素運動だけでは痩せにくい
- 不規則な生活
- 食べすぎ飲みすぎ
そもそも有酸素運動だけでは痩せにくい
有酸素運動に脂肪燃焼効果があるのは事実ですが、消費できるカロリーには限界があります。
介護職が1日仕事をして消費できるカロリーは200kcalちょっとですので、ご飯1杯食べればチャラになってしまいます。
ご飯茶わんに軽く一杯(約150グラム)は約240キロカロリー
(引用:農林水産省)
つまり、痩せるためには基礎代謝を上げて、24時間脂肪を燃焼しつづける体をつくることが重要になってきます。
しかも、30代40代と年齢を重ねるごとに基礎代謝が低下していくので注意が必要です。
基礎代謝を上げるためには、筋トレをして筋肉量を増やすのが一番手っ取り早い方法です。
とはいえ、運動の習慣がないのに、いきなり筋トレなんて面倒ですよね?
そんな方は、次のような日常的にできる軽〜い筋トレから始めてみましょう。
- 常にお腹に力を入れ続ける
- 仕事中に時間が空いたらスクワット1回
- 筋肉を意識して移乗介助する
これらのような簡単なことでも、やることに意味があります。
やらないと効果はゼロのまま。
0から1にすることがとても重要です。
不規則な生活
介護職は夜勤もあるし、早番は暗い時間に起きて、遅番は夕食の時間が遅くなりがちです。
不規則な生活は自律神経やホルモンに悪影響をおよぼし、基礎代謝が低下したり過食になったりする危険があります。
また、夜勤は起きている時間が長い分カロリーが必要となってしまうせいで、余計に食べてしまうのも太ってしまう原因です。
ちなみに、シフトワーカーの肥満リスクは5倍になるともいわれています。
不規則な生活を強いられる以上、食事や運動で健康を意識しましょう。
(参照:日経ヘルス プルミエ)
食べすぎ飲みすぎ
先述のとおり、シフトワーカーは不規則な生活のせいで食べすぎてしまう傾向があります。
さらに、介護職はストレスの多い仕事ですので、ストレスのせいでノルアドレナリンが増加して食べすぎてしまったり、アルコールを飲みすぎてしまうことも考えられます。
太るだけならまだしも摂食障害に発展してしまうと大変ですので、まずはストレス対策をしましょう。
・趣味に興じる
・日記をつける
ストレス対策についてまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてください。
・介護職はストレスが多そうだから転職するのが不安 ・介護の仕事をしているけどストレスが辛い ・効果があるストレス対策が知りたい と、お考えの方へ向けた記事となっています。 ほとんどの人が『介護職はストレスが多い職業』というイメージを[…]
介護職の消費カロリーと運動量【まとめ】
介護職の運動量は、待機の多い夜勤なら平均以下になってしまいますが、日勤帯なら平均以上の運動量です。
ちなみに、今回の調査で明らかになった運動量は以下のとおりでした。
- 日勤帯:8773歩(263kcal)
- 夜勤:6731歩(201kcal)
消費カロリーでみれば日勤帯でも夜勤でも健康維持のために必要な運動量をクリアしています。
ただし、痩せることを目的とした場合、勤務中の運動量だけでは足らないでしょう。
ミドル世代ともなると体型が気になる方も増えてきますが、年齢とともに基礎代謝が落ちるので、日常生活でも運動と食事に気をつける努力も必要になってきます。
特に夜勤をやる方は不規則な生活を強いられるため、太りやすくなる傾向があります。
好きなものを好きなように食べて、面倒なことは一切やらない生活はたしかに魅力的です。
しかし、シフトワーカーである以上、健康には気をつけるべきです。
健康的な生活を意識すれば、ダイエットの成功にもつながるでしょう!