介護施設の倒産に前兆があるのは本当?!|見極め方と対策を解説!

介護施設の倒産に前兆があるのは本当?!|見極め方と対策を解説!

あなたが就職した施設や、大切なご家族の入居された施設がいきなり倒産することになると考えたらとても不安ですよね?

介護施設が倒産するなんて本当にあるの?と疑問に思われるかと思いますが、倒産してしまう施設は実際にあります。そして、介護施設が倒産する前兆もあります。

本記事では倒産してしまう施設に起こる前兆についての見極め方と対策についてまとめています。あなたが勤めている施設や、ご家族が入居されている施設に当てはまるようなら、倒産する前に対策して自分の生活を守りましょう。

目次

介護施設の倒産が増えている背景

介護施設の倒産が増えている背景

介護保険法が制定されて以降、介護保険制度で民間の介護施設が作られてきましたが、順調に運営されるものばかりでなく経営困難になり倒産している施設もあります。

介護施設の倒産が増えている要因を以下の項目で説明します。

なぜ今、介護施設の倒産が増えているのか?

介護施設の倒産の要因としては、以下のものが考えられます。

  • 設備が古い
  • 入居者が少ない
  • 職員の数が少ない
  • 新型コロナウイルス

中でも人材不足は深刻な問題です。

人員が不足していると、入居者に対してのサービスが不十分になってしまい結果的に入居者の人数が減ってしまいます。

また、経験が浅い介護スタッフがいきなり現場を任され仕事のきつさに根をあげてしまうこともあります。それにより知識・経験を持つベテランスタッフへの負荷が重くなって辞められてしまったりなど、離職の悪循環も要因の一つです。

有料老人ホームの数は増加している?

介護施設の倒産が増える一方で、有料老人ホームの数は増加傾向にあります。

有料老人ホームの運営会社は介護関連事業を収益の柱とした企業だけではなく、大手企業が介護業界に複数ある事業の一つとして新規参入している場合もあります。そのため資本があることから倒産しにくい傾向にあるといえるでしょう。

潤沢な資本で独自の介護サービスを提供する有料老人ホームへ安心を求めて介護職員や入居者が集中すると、資本が少ない介護施設は倒産に追い込まれてしまう可能性が高くなります。

以上から、介護施設の倒産が増えている背景には、人材不足と有料老人ホームの増加という2つの要因があることが考えられます。

潰れそうな介護施設に見られる特徴とは?

潰れそうな介護施設に見られる特徴とは?

大切な家族が暮らす施設がいきなり倒産してしまう。そんな不安を抱えていては、入居される方も、そのご家族も安心して過ごすことはできないでしょう。

介護施設が潰れる要因は、外部要因だけではなく内部要因も考えられます。以下では特徴的な要因をご紹介します。

潰れる介護施設に共通する特徴とは

介護施設が潰れる原因はさまざまですが、以下のような特徴を持つ施設には注意が必要です。

  • 設備が古い・必要な設備が十分にない
  • 設立して10年に満たない若い会社
  • 介護職員処遇改善加算の届け出をしていない
  • 入居者が少ない
  • 職員の数が少ない
  • 新型コロナウイルスの対策ができていない

設備が古いと入居者の安全や快適さに問題が生じてしまいます。また、人材不足が原因となり入居者の満足度が下がり、結果として入居者の退居や減少などの悪循環につながってしまいます。

人材不足と経営状況の関連性

人材不足は経営状況にも影響をもたらします。人材が不足することによって入居者へ十分なサービスが提供できず、先述したとおり満足感や安心感の低下へとつながります。

満足感や安心感の低下は、入居者のみならず家族に対しても、要望に応えられなかったりコミュニケーション不足につながっていったりと、入居者の退居が増える要因にもなり経営に影響を及ぼします。

また、人材不足の介護施設は人件費を節約しているとも考えられるため、人件費を確保できないほどに経営が悪化している可能性もあります。

介護施設倒産の前兆:見極め方とその重要性

介護施設倒産の前兆:見極め方とその重要性

介護施設の倒産は、入居者のみならず勤めている職員にとっても大きな不安となります。しかし、倒産とは突然起こるものではありません。

前兆を見極めることができれば対策がとれます。以下では、前兆を見つけるための指標と対策について説明します。

倒産の前兆を見つけるための指標

倒産の前兆にはいくつかの指標があります。

  • 経営状況の変化
  • 人事状況の変化
  • サービス状況の変化

経営状況の変化

離職率の高い職場では、役職や管理職が短期間で変わってしまい、そのたびに経営方針や業務内容が変わり現場の混乱を招くことがあります。また、設備の修理や交換が行われなくなった際も、資金的な余裕がない可能性もあるので注意が必要です。

人事状況の変化

退職者が増えるといった人事状況の変化にも注意しましょう。

入居者に対して職員が不足すると十分なサービスが受けられずに不満が生じ、入居者やその家族は他施設に移ることを考えてしまうかもしれません。

サービス状況の変化

介護施設側の過度な節約により、壊れているものが交換されない、料理が前よりも質素になったなど、サービスの質の低下は倒産する前兆とも考えられます。

倒産の前兆を見つけたときは?

倒産によって失業してしまうと、収入が得られなくなってしまいます。そうならないために、早い段階での転職を検討することが望ましいです。

資格を取るなどして介護に関する知識や技術を磨くと、将来的にも職種の選択肢が広がり、転職先での給与のベースアップにもつながります。介護関連で取得できる資格には以下のものがあります。

  • ケアマネジャー
  • 介護福祉士
  • 福祉環境コーディネーター
  • 福祉用具専門相談員

老人ホームの今後:倒産急増とその影響

介護施設の倒産が増加していく一方で、需要も高まっていると言われています。

なぜ需要が高まっているのか、老人ホームの今後と、倒産が急増することによって社会に与える影響について説明します。

老人ホームの未来

高齢化が進むと、要介護者の増加が予想されます。介護サービスへの需要も高まり、入居者のニーズに応えられる施設が求められるでしょう。しかし、人材不足が大きな問題です。そのため、ICTやAIなどを活用し、少ない人手でも介護の現場が回る工夫が必要です。

また、人材不足が深刻な介護業界において、興味を持ってくれる人は歓迎されます。介護職は、性別や年齢、学歴に関係なくキャリアを形成できる点が魅力です。

倒産増加が社会に与える影響

これからの介護業界では要介護者の増加などでサービスの需要が高まっていきます。それなのに人材不足や経営状況により倒産する施設が増えてしまうと、入居を希望する人は施設を探すことが難しくなります。

また、介護業界での就職を希望する人にとっても、就職してもすぐに失業するリスクがあり、社会に与える影響は大きいと言えます。

倒産しそうな介護施設を回避する方法

倒産する施設には、前兆となる出来事が徐々に起き始めます。では、その前兆のある施設への入居や就職を回避するための方法を、以下で説明します。

安全な介護施設の選び方

介護施設を利用する場合でも、就職を考えている場合でも、安全な介護施設を選ぶ際には気を付けておくポイントがいくつかあります。

  • 運営側の経営状況を確認する
  • 実際に見学に行く

運営側の経営状況を確認する

有料老人ホームの運営会社は介護関連事業だけが収益の柱ではないため、大手企業であれば資本があり倒産しにくいといえます。

実際に見学に行く

実際の施設を見学して、入居者の様子や職員の人数、業務の様子などを確認するとパンフレットや情報だけでは分からない部分も確認できます。

良い介護施設とは?その見極め方

良い施設を見極めるためには、入居する施設の立地や必要となる費用、施設の雰囲気などをさまざまな施設を見学して検討することが必要です。

また、働こうと考えている方は、施設の雰囲気や既に働いているスタッフの表情、設備の状況などを観察しましょう。

介護施設の倒産対策:職員・入居者別の対策を解説

介護施設の倒産対策:職員・入居者別の対策を解説

介護施設の倒産が起こる前には、いくつかの前兆があることが分かりました。

では、その前兆に気付いた時にどのような備えをする必要があるのかを職員と入居者に分けて説明します。

職員が倒産に備えるためにできること

転職を視野に入れスキルアップのために必要となる介護福祉士や、介護支援専門員などの資格取得を目指しましょう。資格取得のためには、受験をする際に実務経験年数がある程度必要なものがあるので、自分が受験できる資格があるかどうかを確認しておく必要があります。

また、新しい施設に就職する際には、必ず見学をして施設の運営状況や設備の状態、利用している人たちやスタッフの表情など情報収集しておきましょう。

入居者が倒産に備えるためにできること

施設が倒産してしまい退居することになってしまった場合、入居する時に前払い家賃としての入居金を支払っていれば、入居金が返還されることがあります。

入居者生活保証制度と言い、制度に加入している有料老人ホームであれば保全措置として入居する際に支払った入居金の未償却分が(最大500万円)まで返還されます。

2006年4月より設置届けの出された有料老人ホームにはこの制度が義務付けられていますが、2006年4月以前に設置された施設には保全に努めること、と努力義務になっていますので注意が必要です。

介護施設倒産の前兆【まとめ】

介護施設が倒産する可能性がある場合、運営状況や設備の古さ、人員の数や入居者の生活状態などさまざまな事柄が前兆として現れます。それらの前兆がある施設に入職や入所をしないために、あらかじめ施設の見学やパンフレットなどで得られる情報を元に検討する必要があります。

それでも、万が一倒産することになってしまった場合に備えて、スキルアップの資格を取得しておくことも大切です。また、利用している方の場合は退去することになってしまった時に受けられる制度の確認をしておきましょう。

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