介護職の転職はアリか?ナシか?

介護の世界に飛び込んでから今まで、なんとか頑張ってきたけど、最近色々と疑問に感じることが多くなってきたりしていませんか?

職員同士の人間関係や、給料、施設の経営方針などで悩む介護職員は多く、転職を考える人も少なくありません。

しかし、他の施設に転職をしたいと思っても、ミドル世代だとなかなか一歩が踏み出せませんよね。

介護の仕事そのものが嫌になっていないのなら、無理しないで他の施設への転職に踏み切ってしまうのは全然アリです!

一般的な業界では転職はあまり良いイメージを持たれませんが、介護業界での転職はスキルアップの意味合いもあるので、ネガティブなイメージが少ないんです。

また、介護業界は慢性的な職員不足に悩み続けている業界なので、転職してきてくれるなら大歓迎!という施設も多く、転職の難易度もかなり低かったりします。

もちろん、「嫌なやつがいるからもうやーめた」のようなぼんやりした理由では、いくら施設を変えてもずっと嫌な思いをするはめになるので転職する意味はありません。

しかし『何をどうしたいのか』をはっきりさせて、自分に合った施設を探すための転職は、きっとあなた自身のためにもなります。

そこで今回は『介護業界における転職のイメージ』から、転職をする時の注意点やおすすめの転職の方法まで、介護の転職について詳しく掘り下げていきます。

もし、今あなたが転職のことで悩んでいるなら、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

介護業界が転職にネガティブなイメージをもたない理由

介護以外の一般的な業界では、転職の際に『前職を辞めた理由』について、かなり神経質に聞かれることがあります。

なぜ、神経質になってしまうのか?

それは、一般的な業界では転職は少ないほうが良しとされ、ひとつの会社で長く勤めれば勤めるほど評価されるからです。

しかし、以下のような理由から、介護業界では一般企業ほど転職に対しネガティブなイメージがありません。

  • 介護施設の種類が多いのでスキルアップのために転職する人も多い
  • 事業所の経営方針がさまざま
  • 転職しても介護の『実務経験』はリセットされない
  • いくつかの施設を見てきたほうが経験豊富とされる風潮がある

では、ひとつずつ説明していきます。

介護施設の種類が多いのでスキルアップのために転職する人も多い

介護施設には色々な種類があります。

  • 特別養護老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • グループホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • ケアハウス
  • 小規模多機能型居宅介護
  • ショートステイ
  • デイサービス
  • デイケア

ざっと思いつくだけでも、これだけの種類があります。

さらに加えて、訪問介護も選択肢に入るかもしれませんね。

それぞれ、施設の目的が違うので、利用者の傾向も働く環境も大きく変わります。

自分の性格に合った施設を見つけたい!色んな現場を見て勉強したい!と、スキルアップを目的に転職する人も少なくありません。

事業所の経営方針がさまざま

すべての介護施設は、利用者を第一に考えQOLの向上を目的として存在すべきです。

しかし、事実として『事なかれ主義』で何も改善しようとしない事業所や、『利益最優先』で利用者の生活は二の次という事業所もあります。

もちろん、利用者ファーストで、良いと思ったことはなんでもトライしていくような事業所もあります。

これらの事実に対し、何が正解で、何が不正解かは、各事業所で働く職員が決めることです。

自分のやりたい『介護』ができる施設を探して転職する人もいますね。

転職しても介護の『実務経験』はリセットされない

介護福祉士など、資格取得のために一定年数以上の実務経験が必要とされる場面が多いのも介護業界の特徴です。

実務経験は、転職して施設を変えても0にリセットされず累計されていくので、資格取得には影響がありません。

また、1つの施設で10年勤めようが、5つの施設で合計して10年勤めようが、どちらでも『介護歴』として10年の経験があります!と言える業界なので、転職のデメリットは少ないといえます。

いくつかの施設を見てきたほうが経験豊富とされる風潮がある

介護業界では、むしろ複数の施設を見てきた人のほうが、ひとつの施設しか知らない人より経験豊富とされるので、ある程度は転職をしたほうがいいくらいです。

とはいえ、あまり多いと何か問題がある人だと思われるので、2〜3施設くらいにとどめておいたほうがいいですけどね。

2つ3つ施設を見てくれば利用者に接する経験としては十分だし、きちんと課題を整理して転職をしていれば、その頃にはきっと自分に合った施設が見つかっているはずです。

転職するなら辞めたい理由をはっきりさせてから

なぜ今の施設を辞めたいのかをはっきりさせていないと、次の施設を探す基準もはっきりしないので、ぐだぐだと無駄に転職を繰り返すことになります。

転職は現状より良くするためにするものなので、転職に失敗しないためにも必ず課題を明確にしておきましょう。

介護職で考えうる、転職したい理由はおそらく以下のようなものではないでしょうか。

  • 人間関係
  • 給料や休日などの待遇
  • 施設の経営方針
  • 介護の仕事に嫌気が差してきた

それぞれ、深堀りして解決策を考えてみましょう。

人間関係

どの組織に属しても、どうしても合わない人は20%存在していると言われています。

職員が10人のユニットなら、1〜2人は合わない人が必ずいるということですね。

実際に仕事をしてみると、この数字はあながち間違いでもない気がします。

ユニットに1〜2人、嫌いな人がいるからという理由で転職しても、次での施設でもほぼ間違いなく同じことになるので、転職の意味がありません。

どこにいっても合わない職員は20%はいるんだということを忘れないでください。

どうしてもダメ!ストレスで病んできた!というレベルで我慢できないなら、まずはユニット異動など相談してみましょう。

色々やったけどやっぱりダメだったという場合は、おそらく施設自体があなたと合っていない可能性がありますね。

『施設に長く勤務できている人≒その施設が居心地いい人』ということになるので、介護に対して似たような考え方の人が徐々に集まる傾向があります。

どのユニットに行っても我慢ならない人がいたり、合わない人が20%を超えるようなことがあれば転職して環境を変えてみましょう。

給料や休日などの待遇

給料が少ないのは、ぶっちゃけ介護施設ならどこに行っても同じようなものです。

給料で転職を考えるなら、まずはいくら必要なのかを計算して把握しておきましょう。

ダイエットするためには、まず体重計に乗るのと同じです。

いくら足らないかがはっきりしたら、残業や夜勤でなんとかならないかを考えてみます。

残業禁止の施設だったり、夜勤回数を増やすことも難しいなら転職するしか手はありません。

残業をしても残業代をつけてくれないような施設は論外です。今すぐ転職してください。

また、現状でどうしても休日が少ないと感じているのであれば、有給を毎月1日入れてもらったりリフレッシュ休暇を使ったりできないか、まずはリーダーや上司に相談してみてください。

有給消化を極端に毛嫌いする、リフレッシュ休暇なんか誰も取ってない、といった施設なら長く勤務しても良いことはないので、今すぐ転職です。

リフレッシュ休暇の制度自体が無かったり、公休も少なかったりして、全体的な休日数が少ない場合も、年間休日の多い施設に転職するしかないですね。

土日はどうしても休みたい、毎週火曜日は用事があるから休みたい、という場合は施設によっては対応が難しいことがあります。

特養や老健など、24時間365日利用者が生活している場所で正社員として勤務するためには、多くの場合シフト制が条件になっています。

そもそも、シフト制とは自分の希望で好きなように働ける勤務形態ではありませんので、施設側が提示するシフトに従って勤務しなければなりません。

例えば、実務者研修のために毎週どこかの曜日で休まなければならないとか、妊娠したから夜勤はできないといった、比較的短期間で『どうしても』という理由があればシフトの調整は可能でしょう。

しかし、小さなお子さんがいて土日は勤務できないといったケースでは、お子さんが一人で留守番ができる年齢まで何年もかかることが予想されるので、特養で正社員として勤務することは正直難しいです。

土日が休みのデイサービスへ転職するとか、非常勤やパートなど正社員以外で休日の融通がきく形態での転職を考えましょう。

施設の経営方針

今すぐ辞めるべき施設の特徴5つ

  1. 利用者の安全に関わるようなことでも出費をケチる
  2. 職員の改善提案をまったく受け入れる気がない
  3. 目先の利益しか考えていない
  4. 職員に対し「代わりはいくらでもいる」と思っている
  5. なんだかわけのわからないところにお金をかける

もし、これらのようなことを感じたなら、悪いことは言いません。
今すぐ転職しましょう。

介護施設のすべては、利用者ありきで成り立っています。

利益を求めたいなら尚更、利用者を第一に考え、利用者に快適な生活環境を用意すべきではないでしょうか?

事業所を経営するうえでコストダウンはもちろん大切な考え方ですが、施設の利用者の安全や生活環境に関わることでもお金を出さないような施設は、長い目で見ると将来が不安です。

最前線で利用者と関わる職員の意見をまったく聞かない、挙句の果てに「辞めたきゃ辞めてくれ」と言ってしまうような施設も、いずれ朽ち果てるのは目に見えています。

先日、職員が一斉退職したというニュースを目にしました。

何があったのか実際に見たわけではありませんが、少なくとも利用者と職員に対して真面目に接している施設なら、こんなことにはならなかったのではないでしょうか。

介護の仕事に嫌気が差してきた

ちょっと介護の仕事に慣れてきたころに案外多い悩みが「介護向いてないんじゃないかな」というもの。

介護の仕事が向いていないと思ってしまう原因のほとんどが以下の3つです。

  1. 認知症の対応でストレス
  2. 夜勤がつらい
  3. 入浴介助やおむつ交換など、身体介助が体力的にきつい

3つの中で、転職しても悩みの解決に至らないのは『3』だけ。

身体介助は、どの介護施設にいっても必ずやらなければいけないことなので、これが無理なら、残念ですが介護の仕事は向いていないと言わざるを得ません。

しかし、認知症の対応や夜勤に関しては改善できる見込みがあります。

例えば、暴力暴言が激しい認知症の利用者への対応が難しいと思っているなら、間違いなく他の職員みんな同じことを感じています。

経験上、悩みは早々に打ち明けてユニット全体で対応を考えてみると、良い方向へ動き出すことが多いです。

また、夜勤がつらいと感じるのは、体力的な要因、一人夜勤の不安によるものがほとんどではないでしょうか。

明け方の睡魔がつらいと感じているなら、深夜2時あたりで小一時間でも仮眠を取ってみてください。

一睡もしないと脳の働きも鈍くなるので、転倒や誤薬など思わぬ事故にも繋がります。

体力的にも仮眠をとるのととらないのでは全然違いますので、仕事を効率的にするためにも仮眠は必要です。

仮眠禁止を謳ってしまっているような施設は、自分のためにも利用者のためにもならないので転職をおすすめします。

特養では看護職が24時間常駐しないところも多く、ユニット型では一人夜勤になります。

介護職に就いて間もないと、急変対応の経験もないので不安に感じるのは当然です。

しかし、そもそも急変時は一人で対応してはいけないとされており、一刻を争う応急処置には複数人で対応しなければなりません。

急変対応の経験がある職員に応援を依頼して、助けてもらいながら自分も急変対応の経験を積んでいきながら成長していくものです。

また、急変が予想されるような場合なら、事前にナースやリーダーに対応を聞いておくと、いざというときに慌てずに済みます。

それでも、一人夜勤の急変が怖くて仕方ないなら、夜勤がないデイサービスや、夜勤回数の相談に乗ってくれる施設、または夜勤なしの雇用形態への転職をおすすめします。

他の施設に転職するなら『転職支援サービス』をうまく活用

いざ転職を決意しても、「また一から就職活動か」と思うと、なかなか重い腰が上がらないですよね。

また、我々ミドル世代は生活もあるので、次が決まらないのに仕事を辞めることに不安を感じる人も多いでしょう。

そうなると必然的に働きながら転職活動をすることになるのですが、ただでさえ仕事で疲れているのに、空いた時間で求人を探し、応募の電話をしたり、履歴書を書いたりと、働きながらの転職活動は負担が大きいですよね。

そんな時は、転職支援サービスの利用がおすすめです。

転職支援サービスとは、担当するキャリアアドバイザーが求人探しから転職するまで、総合的にサポートしてくれるサービスのことです。

介護を専門とした転職支援サービスもあるので、介護職ならではの悩みや業界全体の転職情報に詳しいキャリアアドバイザーに相談できるのは心強いですね。

キャリアアドバイザーから電話でカウンセリングを受けていると、自分では気付かなかった問題点や課題が見つかることもあり、次の施設に求める条件が明確化します。

今の施設を辞めたい理由が自分でもよくわからないとか、こんな理由で辞めてもいいのか誰かに相談したいと思っているなら、一度は転職支援サービスを試してみる価値はあります。

そうでなくても、希望に沿った求人情報を探してくれたり、応募や日程調整も代行してくれたり、給料などの条件交渉まで代わりにやってくれたりするので、働きながら転職活動するなら便利なサービスです。

転職活動で面倒なことを代行してくれるサービスを、すべて無料で利用できるのも嬉しいポイントです。

以前、転職支援サービスの『レバウェル介護求人(旧きらケア)』を調べたことがあります。

気になる方は、あわせて参考にしてください。

介護業界での転職は、むしろスキルアップ

転職が多いと「むむむ・・・」と思われてしまう一般的な業界に比べて、介護業界は転職に対する認識が少し違います。

介護業界では『転職≒自分に合った施設探し』というイメージが強いです。

引っ越しのような感覚で、気軽に転職する人も少なくないですね。

介護の実務経験は、転職により働く施設が変わってもリセットされることはないので、転職によって資格取得が不利になることもありません。

あまりにも転職が多いと、さすがに敬遠されそうですが、数回の転職なら面接で深く問い詰められることはないでしょう。

そもそも、介護業界は慢性的に職員が足らない施設ばかりなので、よっぽどのことがない限り、転職回数が不利に評価されることは少ないです。

もちろん、面接では上手く「他の施設も経験してスキルアップしたい」とアピールすることは必要ですが、そのあたりは転職支援サービスのキャリアアドバイザーから良いアドバイスがあるはずですので、ご心配なく。

事実、他の施設を経験することは確実にスキルアップになるはずです。

特養と老健、デイサービスやグループホームなど、すべて同じ介護サービスとはいえ、実際に勤務してみると、それぞれまったく違うと感じるでしょう。

もちろん、新しい環境に飛び込むのは勇気がいることです。

しかし、本気で現状に満足していないなら、環境を変えるというデメリットよりも、思い切って転職してしまったほうが圧倒的にメリットが多いはずです。

施設の経営方針は、施設の数だけあります。

レクに力を入れている施設もあれば、利用者のペースを尊重して自由な生活を提供している施設もあります。

なかには、職員や利用者を『ないがしろ』にして、目先の利益だけ考えている施設もあるでしょう。

今の施設が合わないと感じたなら、あなたの心身の健康や生活の質を向上するためにも、転職に臆病になりすぎる必要はありません。

遠慮なく『自分に合った施設探し』をしてみてはいかがでしょうか。

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